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雇用保険上の賃金について

賃金の範囲

賃金の意義

基本手当の額は、被保険者の賃金に基づいて算定されるので、その定義及び範囲は、極めて重要な意義を有する。

雇用保険法においては、健康保険法、厚生年金保険法における標準報酬制と異なり、賃金変動の実際に即し、正確に労働状態を反映させるため、総賃金制(あるいは実賃金制)をとっており、労働の対償として事業主が労働者に対して支払うすべてのものを賃金としている(法第4 条第4 項)。

賃金の定義

雇用保険法における賃金とは、賃金、給料、手当その他名称の如何を問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいう。

ただし、賃金中通貨以外のもので支払われるものであって、則第2 条で定める範囲外のものは、この限りでない(法第4 条第4 項)。

賃金とは、
イ 事業主が労働者に支払ったものであること

ロ 労働の対償として支払ったものであること

の要件を備えなければならない。後者については、原則として次の要件に該当するものが労働の対償であるとされる。

(イ) 実費弁償的なものでないこと。

(ロ) 恩恵的なものでないこと。すなわち、労働協約、就業規則、給与規程、労働契約等によりその支給が事業主に法律上義務づけられている場合及び慣習が慣習法となり又は慣習が労働契約の内容となることによってその支給が事業主に義務づけられているものであること。

なお、雇用保険法による賃金とは、法第4 条第4 項に規定するとおり、名称の如何を問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいうのであるが、この場合、労働の対償として支払われるものとは、現実に提供された労働に対して支払われるもののみを意味するものではなく、一般に、契約その他によってその支給が事業主の義務とされるものを意味す
ると解せられる。